代表理事あいさつ
中国春秋時代の思想家である老子(ろうし)は「器の中に空間があってこそ器としての働きをする」と述べました。
この言葉は人体をただの物体ではなく意思を持つ生物体と捉える上で示唆に富んでいます。
私達の体を構成する骨格や、筋、消化器、呼吸器、循環器など様々な器官を細胞や組織レベルから覆い、接続させ、三次元的なネットワーク機能を形成している「ファシア」。
医学の歴史の中で、長い間形態のみが認識されていましたが、近年、このファシアの機能に目を向けた研究が世界的に急速に発展しました。
その中で、ファシアの機能が慢性的な痛みや痺れなどの症状の原因部位となりうることや、運動のパフォーマンスに影響することなど、様々な機能的な知見が明らかとなっています。
つまり、ファシアは組織や器官の間に形態として存在しているだけの無用なものではなく、私達の健康維持に深く関わるものであり、人が生命活動を維持するために無くてはならないものと認識されています。まさしく老子の言葉の通りです。
当会は、ファシアの機能を高めるトレーニング理論を確立させ、人々の健康と福祉に資する事を目的としています。
前述のように、身体で重要な役割を担う構造物でありながら、いまだその全貌が解明されていないファシアについて、会員となられる皆様と共にその機能を高めるためのトレーニングを学び、研究し、議論し合える環境であり続けながら、学術団体としての社会的責務を果たしていきたく考えております。
そして、会員皆様の先に存在する患者様や身体に悩みを抱える方々のお悩みがひとつでも多く解消されることを心より期待しています。
そのために当会の運営に当たって参ります。
何卒、宜しくご指導ご鞭撻の程をお願いし、ご挨拶とさせていただきます。
一般社団法人 日本ファシアトレーニング研究会
代表理事 浅賀亮哉
一般社団法人 日本ファシアトレーニング研究会
代表理事 浅賀 亮哉